「え! ごめんゆいぴい~! 違うんだよ、ゆいぴーがたくさん頑張ってるの知ってるから優等生って言ったの~!」

「瑠々ちゃんそんな風に思ってくれてたの? 嬉しい、ありがとう。私の方こそごめんね、わっ!」


瑠々ちゃんが突然ぎゅっと抱き着いてきた。
そのあと私の方を見て、にこっと嬉しそうに笑う。
つられて私も笑ってしまった。


そう、これだ。
私は今まで自分の言いたいことの半分も口に出せていなかったと思う。
その理由は嫌われると思って怖かったから。
だけど実際はほとんど心配する必要などないのだと気づいた。


今までは感情を溜めていた分、発散することができなくてそのあともずっとモヤモヤしたままだった。
だけど口にすることで気持ちを少し楽にできるし、こういう風に伝えたおかげでいい結果になることもたくさんある。


時間をかけて少しづつ練習をしたかいがあった。
まずは意見を言いやすい小さなことから。
外食をすると決まったときに食べたいものを伝えたり、逆に提案してもらったもので気分じゃないものはそれ以外がいいと伝えてみたり。

それが言えるようになってきたら、一緒に遊ぶときに何をしたいか言ってみたりとか、これとこれどっちがいいと聞かれたときに素直な意見を言ってみたりとか。


今でももちろん自分の気持ちを話すのは勇気が必要だ。
だけど前よりもみんなに私という人物を知ってもらえている気がする。

そしてみんなは急に意見を言い出すようになった私を受け入れてくれている。
それがたまらなく嬉しかった。