「愛は、俺を好きにさせて
 どうしたかったの?」

今更、そんなこと聞くとか。

…ほんと、鋭い幼なじみには、敵わない。

私は素直じゃないから、笑う。

『べっつにー。

 しーくんの役に立てるなら、
 悪役買ってあげただけ』

でも、それでも、葵は私を見つめる。

…だめだな、葵には、勝てないや。

『…それと』

そこまで言って、急に泣きたくなった。

…それと。

『…もう一回、葵と、しーくんが
 仲直りしてくれたらなって』

こっちが本音だ。

叶うはずもないのに。

私が、ソレを壊しているのに。

一つ吐き出したら、止まらなくなった。

『…あの日、あの時、幼なじみじゃ  
 なくなって。

 私…っ、ほんとは、本当は、
 ずっと3人でいたかった。

 しーくんが、葵と話したって聞いて、
 嬉しかったんだよ。

 また、あの頃みたいに、戻れたら
 いいのにって、期待してた。

 でも、無理だよね…っ。

 だって、こんな酷いことして…
 許されるわけないよね』