こんなに可愛いのに??

声まで鈴の音みたいに可憐なのに??

突然のカミングアウトに、さらに混乱
した。

氷室さんの言葉に桃李さんは、大して
気にした様子はなく、ベーっと舌を
出して、私を抱きしめる力を強めた。

く、苦しい…。

「いーじゃん別に!

 ねっ、あや」

同意を求められましても…。

『…えと…』

息ができなくなるんで、そろそろ離して
もらえないかなぁ…。

抱きしめたまま、私に微笑む桃李さんは、
まるで天使のよう。

どっからどう見ても、女の子にしか見えない私の目は節穴かな?

疑う気持ちがわかないんですが。

ハグに慣れてない私は、ふりほどく
こともできずにいた。

すると、桃李さんは抱きしめる強さを
緩めた。