「新入生代表1年Ⅰ組 天川千結」
私は名前を呼ばれ、返事をしてその場に立つ。
「はい!」
そしてゆっくりと壇上へと向かって歩く。
そう、私は新入生代表挨拶を任されたんだ。
いきなり電話がかかってきた時は本当にびっくりしたな…。
でもお父さんも喜んでくれていたので私は嬉しかった。
壇上へ上り、私はマイクのところまで真っ直ぐ進む。
そして着くと、紙を広げ、すぅっと息を吸うと。
「春の息吹が感じられる今日、私たちは凛王高校に入学いたします。本日は私たちのために、このような盛大な式を挙行していただき誠にありがとうございます。新入生を代表してお礼申し上げます」
私は皆が聞き取れるようにゆっくりと話す。
少しだけザワザワとしているが噛んだり、間違えたりするのが怖いので気にしないでおく。
一語一句大切に、丁寧に。
「伝統ある凛王高校の一員として、責任ある行動を心がけていきます。校長先生を初め先生方、先輩方、どうか暖かいご指導をよろしくお願いいたします。