そこにいる人を見て、教室全員が息を飲んだのがわかる。
そして緊張している空気が伝わった。
ゆっくりと一歩を踏み出した…結斗さん。
「千結、どうしたこの傷は？赤くなってるな」
私の前で足を止め、赤くなっている頬に触れる結斗さん。
「えっとあのこれは…朝……」
ここで殴られてなんて言ってしまったら…彼を守ることはできない。
私はパッと笑った。
「派手に転んでしまいまして…！えへへ…」
そう言うと結斗さんはふっと笑った。
「…お前らしいな」
私らしい？
マヌケってこと？
「それよりもどうしてここに？かなり大きな声を出していたみたいだな」
私は言葉にかなり声を出していたことに気づいた。
つい無意識で……。
「転校生の子が朝少しトラブルになって停学処分になってしまったんです。それには理由があるから誤解を解きにきたんですが…もう決めたことだからって」
私がシュンっとなってそう言うと結斗さんは私の頭にポンッと手を置いた。