私はそう否定する。
「彼はただ名前をいじられたのが許せなかったんです!彼は悪くなんてない!だから停学処分は取り消してください!」
私はそう強く言った。
だが先生は首を横に振った。
「それはできん。もう決まったことだ」
「!!」
どうして?
彼は……楽しみにしていたかもしれないのに。
どうして…こんなことになるの?
私はグッと唇を噛む。
ここで怯んじゃだめだ。
諦めちゃだめだ。
「二人が彼を吹っかけてしまったんです!だから…彼は、无祗くんは悪くはありません!」
「しかし君の頬を殴ったのは事実だ。それは見過ごせない」
そう言って先生は私の赤くなっている頬をチラッと見た。
「でも……っ!」
「取り消すことはできない。暴力をふるったことに変わりはない」
「…そんなっ」
私は先生を掴んでいた手を離した。
彼は何も悪くないのに……。
ただ…守りたかっただけだったのに。
私が下を向いた時だった。
職員室の扉がガラッと開いた。