その日の朝は教室に入る前から騒がしかった。
教室に入る前から騒がしいのはとても珍しいな……。
最近は部活の練習が終わってから教室に向かうというのが私の日課だ。
今日はテニス部だったな…。
ラケットは部員の方から借りている。
私はどのラケットでも使えるので誰からでもいいんだけど最初の方にとても揉めていたな……。
誰が私にラケットを貸すかで…。
私のことが嫌いだから貸したくなかったのかな?
それなら申し訳ないことしたな…。
でも今ではその人と仲良くなれてるから大丈夫…だよね?
私は気持ちを切り替えて教室へと入る。
扉をガラッと横にスライドすると同時に…。
ものすごい勢いで私の顔面に何かが飛んでくる。
「わっ?!」
私はそれをギリギリかわせた。
もともと反射神経はいい方だからなんとか当たらずにすんだけど…。
私はチラッとその何かを確認した。
そこに落ちていたのは教室の窓側に置いていった花瓶だった。