門のところで待っていると突然ーー。
「千結」
私の名前を呼んだと同時に私の肩に手をポンっと置いた。
「びゃっ!」
驚きすぎて思わず変な声が出てしまった…。
こんなことをする人物を私は知っている。
私はくるっと後ろを向き、頬をプクッと膨らませた。
「あおちゃん!もうびっくりしたじゃん!やめてよね!!」
私はあおちゃんにそう叱った。
叱ったのになぜか笑っているあおちゃん。
「くくっ…、ごめんごめん」
ぜっ、絶対反省してないじゃん!!
彼、あおちゃんこと桜木蒼。
物心ついた時から一緒にいる。
言わば幼なじみというやつだ。
「クラス見に行こ、千結」
サラッと話をすり替えたあおちゃん。
私は反論する間もなくあおちゃんに手を掴まれ強引に引きずられる。
「あおちゃんのバカ〜っ!!」
私はなんとかあおちゃんのスピードについて行く。
そしてその歩くスピードになれるとあおちゃんは掴んでいた私の手を離した。
やっと解放された…。
私は自由の身となった。