風邪なのか、それとも精神的なものか、里央はそのまま高熱を出して倒れてしまったようだった。

 二階にあるゲストルームらしき場所で、ふかふかのベッドに寝かされて、夢と現を行き来する。
 志弦はたまに様子を見に来てくれて、氷枕を取り替えてくれたり、お粥を持ってきてくれたり。でも、ちょっと様子を見たらすぐに部屋を出て行ってしまって、会話らしき会話はしていない。

 台風はやっぱり東京に直撃。どうやら大荒れだったらしい。
 雨は一日吹き荒れて、計画運休で電車も走らない。
 どのみち体調を崩した里央は起き上がることもできずに――翌朝。

 昨日の天気が嘘のように、よく晴れた朝が来た。