確かに俺は、成長しなきゃダメだ。


親に捨てられた過去。

ゾンビになった残酷な現実。

俺は全て、他人のせいにし続けてきた。



父さんを恨むことで

ゾンビの自分を嫌うことで

抱えきれない心の痛みを

ごまかし続けてきたんだ。



俺は自分自身が大嫌いだよ。

心が憎しみで、濁りきっている。


でも、俺の大好きな純恋は違う。


子供の頃から心がキラキラで。


両親に二度と会えない悲しみを

抱えているのに

そのことで他人を憎まず

今はもう、自分の運命として受け入れている。



「ねぇ、朝比奈さん。
 俺のワガママ、聞いてくれない?」


「それは
 純恋が幸せになれるワガママ?」


「どうだろう?
 俺はものすごい幸せを感じられるけど」