「他のメンバーにも
 お礼を言いなさいよ。

 狂夜が出られなくなった
 番組関係者に
 丁寧に頭を下げて回ってたわ。

 ファンへも丁寧に説明して
 狂夜が一日も早く回復するのを
 祈って欲しいって
 お願いしていたしね」


「そうだったんだ」


「狂夜とまた一緒に
 アイドルをしたいって思いが
 強いのよ、あの子たちは。

 でもみんな、自分の気持ちを
 伝えるのがヘタでしょ?

 誰かのためにしたことも
 プライドが邪魔をするのか

『オマエのためじゃない』って
 声を荒らげちゃう
 天邪鬼ちゃん達だし」


「わかるよ、その気持ち」


俺も素直じゃないからね。


「まぁ、私も同じね。
 だからハチャメチャな
 ヴァンピメンバーの世話係が
 私に勤まっているだと思うんだけど。

 ねぇ、狂夜」


「なに?」


「あなた
 お父さんに会ってみたら?」


「えっ?」