「純恋、大丈夫?」


「アハハ~ 
 大丈夫、だい…じょうぶ……」


全然、大丈夫じゃないじゃん。


「人間にはあの薬……
 刺激が…強すぎ…かな?

 でも…大丈夫だよ。
 私、体は丈夫だし……」


俺に心配をかけたくないからって

無理やり笑顔を作らなくていいから。



「息……できない……」


うっと唸り声をあげながら

寝転んだ状態で

床を左右に転がる純恋が痛々しい。



「純恋、待ってて。
 今、ゾンビ研究所の人たちを
 呼んでくるから」


俺は立ち上がって、走り出そうとした。



でも……


足が止まってしまったのは


「行か…ない…で……」


瞳に涙をいっぱいためた純恋が

俺の腕を引っ張ったから。