俺は薬を飲もうとする純恋の腕を

ギュッとつかんだ。



でも、もう手遅れ。


薬は、純恋の口に放り込まれ

ゴクリと喉を通り過ぎている。



「狂くん、これで信じてくれた?
 15年かけて
 最愛の息子のために作った薬が
 飲んでも平気なものだって」


「信じたから!
 もう疑わないから!」


お願い純恋、その薬を吐き出して!

なんとかして。今すぐに!



心配すぎて、顔から

血の気が引いてしまう俺。


純恋は対照的。


勝ち誇ったように

「ね、言ったとおりでしょ?」と

両手ピースで笑っている。