額の血管が、切れそうな俺。


「ゾンビの俺に噛みつかれて
 首の肉を引きちぎられたくなかったら

 俺の前に二度と現れるなって言ってるの!」


と、怒鳴り声を張り上げた。



純恋は立ち尽くしたまま。

唇を強く噛みしめ、涙をこらえている。




もうすぐ俺は、完全にゾンビ化する。


人間としての理性を飛ばし

人の肉を食らう化け物になる。



醜い化け物の俺を

純恋の瞳に映したくない。


鋭い爪で尖った牙で

純恋を傷つけたくない。



だから、お願い。


人間としての理性を保っている間に

俺の前からいなくなって。


これが俺から純恋に与えられる

最後の愛情だから。