「そういうことか」


「えっ?」


「俺が有名人になったから
 父親ヅラしようとしてるんだ」


「違っ……」


「自分の子供がアイドルだって
 周りに言いふらしたいんだろ?

 俺にお金をせびる
 つもりかもしれないな」


「狂くん、違うよ!」


「何が違うわけ?」


「狂くんが思ってるような
 酷い人じゃないの」


「なんだよ……それ……

 子供を捨てる親が
 良い人なわけないでしょ!」


「狂くんは、捨てられてないの!」


「はぁ?」


「お父さんはね
 息子が大好きで大好きで
 守りたかったから

 国の施設に、泣く泣く
 狂くんを託したんだって」



あの男が、俺を大好き?


そんなこと

今更言われても信じられない。