「思い出したんだ。
 小3の時のこと」


……え?


「私が狂くんに
 アイドルになって!って
 何度も何度もしつこいくらいに
 お願いしたでしょ?

 本当にアイドルになってくれて
 ありがとう……」



予想外の純恋の告白。


驚きで脳がついていかず

俺は目を見開いて驚くだけ。



「私ね
 次の日も神社のベンチに座って
 狂くんをずっと待ってたんだよ。

 お母さんたちに
 もう帰るよ!って言われても

 神社に泊まるから!って
 大泣きでワガママを言い続けて。

 結局、お父さんに担がれて
 車に押し込まれちゃった。

 どうしても
 狂くんに会いたかったんだ。

 伝えたいことがあったから」



小3の時の純恋が

俺に伝えたかったこと?


聞きたい。

教えて欲しい。


ねぇ
俺のことを、どう思ってた?


今の俺のことを、どう思ってる?


『好き』という恋愛感情が

俺に対して生まれたことは

一度もない?