「俺は前に言ったよね?
純恋がゾンビスイッチだって」
「……うん」
「あんな醜い化け物に、俺はなりたくない」
「それなら……」
「俺ね、純恋のことが大嫌いなんだよ」
「……えっ?」
「だからもう、俺の前には現れないで」
俺は穏やかな声で言い切った。
でも、顔は怖いと思う。
裏切者を恨むような怒りの目で
純恋を睨みつけているから。
「私は、狂くんファンでい続けてもいい?」
「俺のファンもやめて」
「ヴァンピのライブに行くのは?
狂くんが私だってわからないように
帽子をかぶって、マスクして
完璧に変装して行くから」
「ライブも見に来ないで!
俺の瞳に映るところに
一切、現れないで!」