その時、湖が黄金色に輝いた。輝いたのは瞬きをするくらい一瞬のことである。だが、その光が消えた時、草むらに眠っていたはずの藍の姿はどこにもなかった。



「ーーーぇ。ねぇ、起きて」

耳元で聞こえる鈴を転がしたような声、そして優しく体を揺さぶられ、藍はゆっくりと目を開ける。目の前には青空ではなく、木造の天井が広がっていた。

「えっ?」

驚いて藍が飛び起きると、そこは美しい調度品が置かれた見覚えのない和室だった。そして、藍の隣で女性が「目を覚ましたのね」と嬉しそうに微笑んでいる。

華やかな顔立ちのその女性は、深い青の瞳をしており、腰ほどまである髪も瞳と同じ美しい青だ。上半身は白いランジェリーのような衣装で胸元だけを隠しているだけのため、目のやり場に困ってしまう。

美しい女性の裸体に近い姿に藍は顔を赤くしてしまうも、彼女の下半身を見て固まってしまった。彼女の足には尾ひれがついており、まるで人魚姫のようである。