「…あの方に言われたのか」

「他に誰が居るの」

「何があった」

「それまでは言えないわ」

「……『まで』?」

「ただ一つ、言える事がある」

「なんだ」

「『神が制裁を下す』」

「なっ…」

「あの方がおっしゃったのよ。『何か聞かれたら、これだけは言っておけ』、と」


キオナは髪をかきあげた。


「神が制裁を下す…。どうなるかは…」


キオナが人差し指を春稀とレオに向けた。


「あなたたち次第」


キオナはそう言うと、ニッコリと笑った。


「せいぜい頑張りなさい」


キオナはそう言うと、踵を返した。
が、すぐに振り向き、レオに言った。


「レオ、手掛かりはあなたのすぐ側にあるわ」

「…どういう意味だ」

「それは、自力で考えてもらわなくちゃね」


キオナは余裕の笑みを見せてから、再び踵を返し、今度は振り返らずに、そのまま歩き続けた。