「ただいま〜。」


母親が帰ってきた。
後ろには暁の姿も―――


「あ、兄貴!
大変だったんだって?」


呑気に声を掛けてくる弟に、遂に
茂男の中で何かが弾けた。


「お前らみんな……最低だ!!」


わなわなと震える茂男を、キョトンと
しながら見つめる一同。


「そこへ座れ!」


「どうしたんだよ兄貴?
何一人で
キレてん―――」


「いいから座れ!
父さんも!母さんも!」


訳がわからないまま、
触らぬ神
に祟りなし、とばかりに黙って指
示されたソファーに腰掛ける。


「俺達…家族じゃないのか?」


「何だよ突然?」


「いいから答えろよ!」


「あ…ああ、そうだよ。」


暁が答えると、両親もコクコクと頷い
た。