「ちょっとまけてくれないか、っ
て言ってるけど?」
おいおい…
息子の命が懸かってるっていうの
にか?
「せめて消費税分まけてくれって
言ってるわ。」
消費税分…
「最初から30万のつもりだったん
だから…
いいんじゃないの…」
「仕方ないわね。
じゃあ今回限りの特別価格!
今なら消費税分を省いた30万ポッキ
リで、バカ息子が手に入る!
きっちり足揃えて持ってきなさい
。」
耳です。
「1円でも足りなかったら、バカ
息子の命は保証しない。
時間も厳粛。以上!」
ようやく電話を切った真紀子は、
さっきまでのふざけた態度とは一
転、見たこともないような真剣な
表情で何やら考え込んでいる。
いよいよ始動した誘拐劇。
一体どうなることやら…