王太子殿下、「『戦利品』のおまえは妻として愛する価値はない」と宣言されるのですね。承知しました。わたしも今後の態度を改めさせていただきます
ファンタジー
完
46
ぽんた/著
- 作品番号
- 1675654
- 最終更新
- 2022/08/20
- 総文字数
- 66,321
- ページ数
- 45ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 151,750
- いいね数
- 46
- ランクイン履歴
-
ファンタジー14位(2022/08/27)
- ランクイン履歴
-
ファンタジー14位(2022/08/27)
「きみは戦利品にすぎない。物や土地、地位や勲章と同じだ。そういうものを愛することはない。そんな価値はない。そうだろう?側に置くことはあってもね。きみは、あくまでもそういう存在だ。ぜったいに愛することのない妻、というわけだ。表向きは、契約婚とか契約妻と思われるだろう。だが、実際はそれすらにもならない。もう一度言う。きみは戦利品だ。それをけっして忘れるな。それ以外は、好きにするがいい」
「はい、殿下。承知いたしました」
わたしは、亡国の公女エリカ・デュトワ。国が滅ぼされてからというもの、数々の国の王侯貴族の間を戦利品としてたらいまわしにされている。今回はフェーブル帝国に勝ったベシエール王国の王太子に戦利品の一つとして贈られた。王太子レイモンド・ロランは、「氷竜の貴公子」と異名を持つ将軍らしい。おざなりの婚儀とパーティーの後、彼から非情なまでの戒めを叩きつけられてしまった。
ああ、そうなのね。そんなことは、もう慣れっこよ。だから、即座に了承した。
これまでは戦利品として分をわきまえ、従順で控えめにしていた。たぶんそれがいけなかったのね。どこの国や場所でも、あらゆる人たちに蔑まれ虐げられてきた。こんな人生、もうたくさんだわ。今回は、悪妻、悪女ぶろう。どうせ蔑まれ虐げられるのなら、強気にでた方がすっきりするにきまっている。
そんなふうに決意したすぐ後、レイという謎の人物に出会った。たいそう美しい顔立ちで強い彼だけど、うさん臭さ満載。関わってはいけないと思いつつ、どうしてもレイのことが気になってしまう。しかも、「戦利品だから、愛さない」と宣言したはずの夫(王太子)が、なぜか絡みまくってくるじゃない。
これってわたし、なんかヤバいことに巻き込まれてしまったんじゃないかしら?
とにかく、今回は悪女ぶって図太く生き残るのよ。
「はい、殿下。承知いたしました」
わたしは、亡国の公女エリカ・デュトワ。国が滅ぼされてからというもの、数々の国の王侯貴族の間を戦利品としてたらいまわしにされている。今回はフェーブル帝国に勝ったベシエール王国の王太子に戦利品の一つとして贈られた。王太子レイモンド・ロランは、「氷竜の貴公子」と異名を持つ将軍らしい。おざなりの婚儀とパーティーの後、彼から非情なまでの戒めを叩きつけられてしまった。
ああ、そうなのね。そんなことは、もう慣れっこよ。だから、即座に了承した。
これまでは戦利品として分をわきまえ、従順で控えめにしていた。たぶんそれがいけなかったのね。どこの国や場所でも、あらゆる人たちに蔑まれ虐げられてきた。こんな人生、もうたくさんだわ。今回は、悪妻、悪女ぶろう。どうせ蔑まれ虐げられるのなら、強気にでた方がすっきりするにきまっている。
そんなふうに決意したすぐ後、レイという謎の人物に出会った。たいそう美しい顔立ちで強い彼だけど、うさん臭さ満載。関わってはいけないと思いつつ、どうしてもレイのことが気になってしまう。しかも、「戦利品だから、愛さない」と宣言したはずの夫(王太子)が、なぜか絡みまくってくるじゃない。
これってわたし、なんかヤバいことに巻き込まれてしまったんじゃないかしら?
とにかく、今回は悪女ぶって図太く生き残るのよ。
- あらすじ
- 戦利品妻としての立場はもううんざり。いい子ちゃんから脱却して悪役ぶって自由気ままに振る舞い、生きやすいようにするのよ。
目次
-
- 戦利品にすぎない存在
- うんざりだからワルになってみよう
- 敵意溢れる侍女。名前は知らないんだけどね
- イヤな侍女にぶちまませ
- 厨房を探しているはずなのに
- バラ園の端っこにて
- 暴力
- 美貌の剣士
- さっさと逃げだす
- 美味しそうなトマト
- 恥とトマトとパステーク
- レイ?レイって長ったらしい名前の略よね?
- きみは、あなたは、いったいだれ?
- 下女と王太子
- 侍女の名はレリア
- 捜し人は下女
- 箍は外れた
- 図書室にて
- レイの正体って?
- ムカつく奴
- 傲慢でオレ様って、いったい何様?
- 厨房にて悪女ぶる
- 森で飢える
- メモ書き
- 夫であるはずの王太子がやって来た
- 会いたいからって、意味が分からない
- 謎すぎるのよ
- レイに会いに行こう
- ヤバい女
- レイからの手紙
- かならず戻ってくるわ
- 麦わら帽子の男
- 王太子がバラ園にやってきた
- 犯人をばらすって最悪よ!
- 核心をついてきた
- 気の毒な王太子
- こんなときでもトマトは美味しい
- 地下室
- またもや王太子がやって来た
- わたし、死んでしまうのね?
- レイが来てくれた
- いったい何がどうなっているの?
- 真実
- 子どもの頃と現在
- 【最終話】「戦利品妻」は、しあわせを予感する
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