出来ればリュークにカイルを会わせてあげたかった。きっと2人は気の合う間柄になれたはず。
カイルがリュークの事まで心配する風景が浮かぶ。
リュークの事を思うとどうしても目頭が熱くなってしまう…

兄に会いたいと、会って今までの全てを話せたら、良かったなって笑って欲しい…

我慢し切れず涙がポロポロと溢れてしまう。

「ああ……、申し訳ございません。思い出させてしまいましたか…。」

ララは静かに泣きだしたサラを見てオロオロし始める。

「大丈夫……。大丈夫だから心配しないで…。」
溢れ出る涙を止めようとサラが天を仰ぐ。

そのタイミングで、ガチャとドアが開いてカイルが戻ってくる。

「サラ、遅くなってすまない……どうした?
何かあったのか⁉︎」
泣いているサラを見て怪訝な顔で近付いてくる。

「申し訳けございません。…お兄様の事を思い出させてしまったようで…私の配慮が足りなかったせいです。」
ララがしきりに謝りオロオロとハンカチを取り出し、サラに捧げる。

「…ごめん、なさい…大丈夫だから…少し、旅立つ前に、感傷的に…なってしまった…だけなの…。」
心配顔の二人にサラは無理矢理笑って笑顔を向ける。

カイルはララのハンカチを受け取り、サラの頬に伝う涙をそっと拭く。

「泣きたい時は泣くべきだ。そうすれば心がきっと浄化するから。」
カイルはそう言って、ララに目配せして下がらせる。