「こんにちは、私はスクナビコナノカミと申します。医薬の神をやらせていただいております」

碧の目の前でそう話しているのは、ダークブラウンの前髪を程々に切り揃えた短髪に、紺色の着物にグレーの袴を履いた男性だった。着物の上には医者のような白衣を羽織っており、その青い瞳は真剣そうである。だが、その身長は碧の人差し指ほどの大きさしかない。

「えっと……あなたが神様、ですか?」

「はい!正真正銘あなたが毎日お祈りを捧げていた神様ですよ!」

戸惑う碧に対し、スクナビコは両手を腰に当てて胸を張りながら言う。碧が想像していた神様の姿とは全く。

(こんなに小さいのに、お母さんや村の人たちを治すことができるの……?)

碧は半信半疑だったものの、今は彼にしか頼ることができない。目の前にするスクナビコに頭を下げる。

「スクナビコ様、お願いです。お母さんと村の人たちの病気を治してください……!あたしにできることなら、何だってします!」