「え」と言った彼の顔は、ビックリしていて……。プールサイドの熱にあてられたか、はたまた――

夕日も手伝って、顔がかなり赤みを増していた。



「あ、あのね、トキくん……っ」

「うん……」



な、何もいう事が決まってなかった!どうしよう、何を言おう……!?

えーと、えと、えっと~……………あ!!



「こ、今回も助けられたから、その――お礼!お礼をさせて!」

「え、お礼?」

「そう!」



自分で言っといてなんだけど、この前から私「お礼マン」になってない?ハチマキ作ってくれた時も「お礼させて!」てパジャマ買うのに付き合ってもらってたし……。

あ、そうだ。



「今回こそは、トキくんの願いね!私のしたい事じゃなくてトキくんのしたいこと!」

「俺の……したいこと。本当に、いいの?」

「うん。なんでも!」



胸をドンと叩いて「どんとこい!」とアピールする。トキくんが笑ってくれるかと思いきや、私の方を見てもいなくて……。

また顔を赤くして、体に似合わない、小さな声で囁いた。