するとトキくん。私の真っ赤になった顔を見て「プッ」と笑った。
「な、なに……っ?」
「いや、ごめんね。さっきタオル貸してくれた時に、汗をかきにくいタイプだって言ってたから……本当かなって、手を触って確かめたんだ」
「(こ、小悪魔……!)」
私の手を必要以上にギュッギュッと握るトキくん。私の汗は手だけでとどまらずに、髪から首からドンドン落ちてくる。
トキくんは、そんな私の状況を知ってか知らずか……
「タオル、返してほしい?」
と、私のタオルに唇をあてながら尋ねる。
ふ、拭いてるだけよね?顔の汗をふいてるだけよね!?
今日のトキくんが妙になまめかしくて、ちょっとのぼせてきた私……。
よく見ると、トキくんも少し汗をかいているのか、シャツが肌に吸い付いている箇所もあって……。筋肉や普段見えないところも肌色に見えて……。
恋愛経験ゼロの私が、こんな色気に耐えられるワケがなかった。