ということで、見事にプール掃除当番になった私は、バケツを持って一人でプールにやってきた。

しばらく使ってなかったってことだけど……うん。確かに汚い。



「けど、苔だらけじゃないのが幸いかな。

一旦水を入れて、汚れを擦ってゴミを集めれば……使えるようになりそう!」



ジャージに着替えて、やる気は満々!

今日一日で、終わらせてみせるぞー!!


と思ったけど、あれ?

プールに水って、どうやって入れるの?



「ここ?いや、違う。ここかな?」



見つけた蛇口を手あたり次第に触る。そして水が出てくる箇所を確認したり……だけど、一向に水は出なかった。



「ん~ダメだ!なんで出ないのー!」



バタッとプールサイドに転げる。

今まで日光にあたっていたそこは、かなり灼熱になっていて……秒で飛び起きた。



「あぶな……干からびてミイラになるかと思った……」



自分が情けなくて、ため息交じりに呟いた――その時。



「困ってるだろうと思った」