私の周りにいる大橋くん、しずかちゃん、トキくん――そしてうみ先生までもが、唖然とした。

あまり信じてもらえてないので、私は大橋くんの背中を思い切り押して「ほら!こんなに痛がって背中を丸めてます!!」と主張する。

思ったよりも大橋くんは体が硬かったらしく、私が無理やり曲げた背中を指さして「痛いイタイ!!」と叫んでいる。



「あら、本当に痛そうね」とうみ先生。



「じゃあ他の誰かに頼もうかしら?え~っと」



先生が教室内を見渡した時に、クラスの皆がザワっとどよめいた。

また恐怖のロシアンルーレットが回るかと思うと、ドアの近くにいた子は恐怖のあまりに逃げ出している。

大橋くんで丸く収まっていたのに、蒸し返した私が悪い。

だから、ここは……



「わ、私が……やります……」



私の言葉にしずかちゃんが「もー」と呆れ、後ろのトキくんが「え」と驚いた声を出していた。

私だって「もー」も「えー」も言いたいけど……でも、自分で蒔いた種だから仕方ない。

隣で大橋くんがギャイギャイ私に抗議をしてくるけど、耳を塞いで聞こえないふりをした。



◇回想終了◇