振り返ると……確かに、あった。

私がトキくんを好きだと、改めて気づく事が出来た。



「収穫……ありまくりです……っ」

「キャー!いいわね、青春ね!」



持っているファイルをバシバシと私の腕に当てるうみ先生。

なぜ当事者の私よりも、うみ先生の方が顔を赤くして興奮しているんだろう……。



「倉掛さん、魔法が解けたからって怯む必要ないのよ?」

「へ?何の話を、」

「また何かを得たかったらね、また自分に魔法をかけたらいいの。

そうしたらきっと、良い事が返ってくるからね♪」



「じゃーねー!」と、言いたいことだけ言って、去っていくうみ先生。

いつもよりもご機嫌なのは明らかで、廊下をスキップして通っていた。