11月23日の16時。ライン電話で呼び出され、約束の歩道に行くと白のファーコート姿の(りゅう)くんが白のバイクから降りて待っていた。

 全身白!?
 私服、かっこいい…。
 それに比べて私はボサ髪のぶかT…。
 (そら)くんにバレたら嫌だから…。

「あ、(りゅう)くん、待たせちゃった?」

「楽しみすぎて1時間くれぇ待ってた」

 えぇ!?

「なんてな。ほら」
 (りゅう)くんに白いヘルメットを手渡される。

 (そら)くんと同じタイプのヘルメットで良かった…。

「あ、(りゅう)くん、顔の傷、どうしたの?」

「なんでもねぇよ」

「そっか…」

 白いヘルメットをすぽっと被る。
 すると(りゅう)くんの手が伸び、顎下のハーネスのベルトを首元で固定してくれた。

「今日特に可愛いんだから、そんな間近で見んじゃねぇ」
 (りゅう)くんにシールドを降ろされた。

 私の顔が熱くなる。

「早く後ろ乗れ」

「うん」

 リアシートに(またが)ると、(りゅう)くんも軽々シートに跨り、キーを(ひね)る。
 甲高い爆音が響き渡り、私はぎゅっと(りゅう)くんの腰に両手を回すと、
 輝く夕日の下で、白バイクが走り出す。