「ゆきのん、顔真っ赤笑」
「カレカノになったら同じ香りにしたくなるよね」

 え?

「あかり、それ分かる」
「一緒にいる時間長くなるから自然と同じ香りになったりもするらしいし」

「マジで!?」
 美青(みお)ちゃんの発言に(しゅん)くんが驚く。

 自然と(そら)くんと同じ香りに…。
 考えただけで倒れそう。

耀(よう)、何その笑顔」

「女子トーク、微笑ましいなって思ってね」
 耀(よう)くんは、にっこり笑ったまま美青(みお)ちゃんに返す。

 私はぎゅっと右肩にかかった鞄の紐を持ちながらホッとする。

 とりあえず、同居の事バレなくて良かった……。

「てか、(そら)。夜の集会出ろよ」
「昨日サボリやがって」
 (しゅん)くんの声掛けに(そら)くんは面倒臭そうな顔を浮かべる。

「集会?」

 あかりちゃんが鞄の脇ポケットからスマホを取り出す。
「ゆきのん、見てみて」