女について行った結果として、私は、他の二人がどう思ったかは分からないが、少なくとも私は後悔した。愚かな自分を呪った。今更、どうにもならない事だが。

女はとある一室に私達を入れ、
「暫く、待っていて頂戴。」
そう言い残し、消えた。
「……」
また、沈黙だ。
「神谷さん、神崎さん。あの女、どう思います?」
沈黙を破ったのは私。
「俺は、怪しいと思ったな。何をしだすか全く見当もつかない。」
「あたしもね。なんとも言えないけど、近付いてはいけないような……」
「私もです。この部屋、何なんでしょうか?」
改めて、私達は部屋を見渡す。
真っ白な壁、床、ドア。窓はなく、ドアは4つ。
「窓がないのはおかしくないか?」
神谷璃夢がそう言った。が、おかしくはない。私が言わなくても神崎瑠奈が言うだろう。
「いえ、ドアが四方にあるのだからどの面も外には面していないんじゃないかしら?」
そう。でも、もっと根本的なところ。
「待って下さい。この建物、そんなに大きい物でしたっけ?」
私がそう言うと二人は気付いたようだ。
「あ。」
「そういえばそうね。じゃあ、この部屋、なんなのかしら……」
私はふと、時計を見る。あの女が出てから30分以上経っている。
「遅い、ですね。」
「……」
「……」