しばらくの沈黙を破ったのはウルフヘアの人。
「……俺は、2-5の神谷璃夢だ。」
声はハスキーっぽくて低かった。2-5ってことはやはり見かけ通り体育科。
「神栖紗羅。1-3。」
神谷璃夢に続き、私も名乗る。
ちなみに1-3は普通科だ。
「あたしは神崎瑠奈、3-8よ。」
続いてストレートヘアの人。
3-8。特進クラスだ。

神谷璃夢、神崎瑠奈……
二人とも名前だけは聞いたことがあった。
神谷璃夢は体育科史上最高の成績らしい。
神崎瑠奈は特進クラスで唯一の3年間トップ。

私は……普通科で全てにおいてトップだ。

神谷璃夢や神崎瑠奈は専門的な能力を持つなら私は総合的な能力を持つ。

「説明してもらえますか?」
私が女に問うと女は、一言。
「その必要は、ないわ」
「は?」
「こちらへ。来て貰える?」
私達は不思議に思いながらもその女についていく。