ただ、宛もなく歩く。

時刻は6時過ぎ。

何処へいっても人気はない。


15分程歩き、私はとある店の前で立ち止まる。
古びた、洋館の様な外観で、骨董品を扱ってるらしい。
それがまだ6時半にもなってないのに開いているのだ。

私はその店に入る。
と、先客がいたようだ。女子高生が二人。私と同じ制服。だが、見覚えはない。

「揃ったわね。」

私が入ってすぐに、店の奥から一人の女が出てきた。フードを被っていて顔が良く見えない。
「は?」
私が聞き返すとその女は当然というように、
「私は貴女方を待っていたのよ」
貴女方って事はここにいる私達三人の事、ね。
一人は真っ黒のストレートヘアで、真っ黒で切れ長の目。
もう一人は脱色したウルフヘアに大きめの目。
見た感じ、私達の性格はかなり違っていそうだ。
「ご説明、お願い致します」
ストレートヘアの人がその女に言う。
「その前に、自己紹介しましょう。私はともかく貴女方は長い付き合いになるでしょうから」
……長い付き合い?
どういう意味?