だけど、あなたが来てくれた。



「楼夷!大丈夫か?先輩方なにしてるんですか?」

「っえ。葵君?私たちはなにもしてないから」

先輩たちは走って逃げてった。




「ごめんな。俺のせいだよな。楼夷にごめんって言われてたのに引っ付いてこんな思いさせて…。もう必要以上に関わんないから。それじゃ」


私はその時殴られたり蹴られたりした傷よりも心の方が痛かった。


葵君のことが好きだったんだ。葵君に恋してたんだ。ってその時気付いた。


もう、遅いよね・・・。


素直にものを言えない私は葵君に声をかける事もできずにただただ愛しい人の後ろ姿を見つめていた。