付け足したような大野くんの言葉は全然入ってこなかった。

そんなもん、って聞いてどこかショックを受けてる自分がいて。



なんて言ってほしかったんだろう。答えなくていいなんて思っておいて、私は大野くんのどんな言葉が欲しかったんだろう。



だって、それってつまり。

りっくんも何か考えてたわけではなくて、特に何も思ってなくて、別に誰でも良かった、ってこと……じゃない？



ただ私がそこにいて、手っ取り早かったからキスしたくなったってだけで。もしくは本当にただの意地悪で。



モヤモヤが、消えていく。

だけど新たにまたモヤモヤがやってくる。




「……聞いてる？」

「……え。う、うん。聞いてる。まあこれたとえばの話だし……ありがとう、大野くん」





別に深い意味なんてなくて。

私がこんなにも悩むこと、なくて。



ああもうなんか、拍子抜け。

私をこんなにモヤモヤさせて………、りっくんの、ばか。






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