だから心から"ありがとう"と思ったし伝えたくなったし、来てくれて、それに触ったことのない機材と格闘して少しでも仕事をしようとしてくれたことが、当たり前かもしれないけど嬉しかった。



さっきまでイライラしてたのが目に見えて、私を睨むように向けていた目線も、少し和らいだ気がした。




「ごめんね、前、嫌なこと言って」

「……別に。気にしてねーし」

「……怒んないの?いろいろ」




ぶっきらぼうだけど、冷たいけど、でも根は悪いヤツじゃないのかも。



私が素直にお礼を言って謝れば、睨んで敵意を向けてくることもない。案外、私の方が悪魔くんの影響受けまくってたりして。



無視しちゃったけど放送室に入った時、不機嫌全開な感じだったから、もっと怒ってきてそのまま不機嫌なままいると思ったの。だから思わず聞いてみちゃった。前回偉そうなこと言っておいて遅刻だなんて、その点に関しては怒られても何もおかしくない。私が悪い。