「……り、璃玖」

「ん?」

「……璃玖は、私と……、……はは……やっぱなんでもない……」



勢いに任せて、もう一度真剣に聞いてしまおうかと思った。


私から顔の離れた、もうそういう気配のないりっくんに、聞いてしまおうかと思ったけど、それ以上言葉が出てこなくて、口にできなくて、聞けずに終わって。


りっくんは、本当に私とキスがしたかったの?

私への意地悪と、"無防備で隙だらけ"な私に自衛することを教えてくれた、だけだよね?