私のほうを見て、意地悪に、子供みたいに笑う。
私のリボンを指でくるくるして遊んでるりっくんが少しだけ幼く見えた。
それは王子モードでもなく、オオカミモードでもなく、言ったら"素"みたいな感じで……初めて知れたりっくんに、嬉しくなった。
……だけど、それとこれとは別問題。そのリボンは返してもらわなきゃ。
りっくんが持ってると、なんか、その、さっきのこと思い出して恥ずかしくなってくるっていうか……。
……っとにかく、早く返してほしい。
「ね、ねえりっくん、」
「……璃玖、でしょ?」
「……り、……りっくん」
「……」
「り、り……璃玖、」
「んー?」