「……別に俺は"りっくん"って呼ばれることも、真面目で優等生で王子だって言われるのも嫌じゃないよ、これも俺だし」
遠くを見つめるようにして言うこの言葉は、本当か、嘘か。
きっとこれは、嘘じゃない。
嘘じゃなくて、気持ちを私に話してくれてるんだと思う。
「でも、前も言ったけど。汐架には、りっくん、とだけ思われるのは嫌だなって」
「そ、それはどういう意味で……」
「鈍い汐架ちゃんは、それくらい自分で考えなよ?」
「……っ!い、意地悪……」
「言ってるじゃん、汐架のことはいじめたくなる」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…