顔?髪?唇?……全部はずれ。
スッと簡単に外される、この感覚。
目を開けなくてもわかる。
リボンが外れて、首元が少し楽になった感じ、元々緩く結んではいたけど、そこからシャツの中に空気が通る感覚。
「……っ」
今度は、首に直接触れる。きみの手が、私の火照った体に触れる。
揺れるように反応してしまうのも、わざとじゃない。
声にならない吐息が、出したこともないような声が出てしまうのも、わざとじゃない。
わざとじゃないのに、勝手に体がそうなるの。
でも私はその手を振り払うことなんてできない。
されるがまま、私は何も、反撃もできずに。昨日と同じ。りっくんにはなんの抵抗もできない。
振り払えない。りっくんに、だけ。
「……だから、お前は隙ありすぎなんだよ」