「私は、柳本璃玖くんのことを、」

「嫌だって、りっくんは嫌だって言ったら?」



私の言葉を遮ったりっくんに、スイッチが入った気がした。



紛れもなく。……スイッチ、オン。



トーンが、一つ下がる。下がって、甘さが加わる。

目の光がぼやけて暗くなる。だけど目が死んでるわけでもない、とろけたみたいで。


手が私に向かって伸びてくる。どこに、触れる?


ギュッと目を閉じた、なんでだろう、手の行方を追ってしまって、反応しちゃうからかな。


そんなの、目を瞑らなくたって触れられたら反応してしまうに決まってるのに。