リビングに戻り、龍二の隣に座った。

「どうしたの?

 可愛くなったから心配してるぅ?」

麻耶は、甘えた声で明るく問い掛けた。

だけど、彼は真顔でテーブルの上の

コーヒーカップを見つめている。

「結婚するか?」

「誰が?」

「俺と麻耶が?」

「・・・・・はあーーー???」

思いっきり声を張り上げて横を向いたけど

龍二は涼しい顔でタバコに火を点けた。

本当に兄のように慕っていたので

そんな事を考えた事はなかった。


-----結婚の必要性が見つからない。


梨恵に聞かれた時言ってたよね。

「どうしたの?私が変わったから?」

「馬鹿!関係ない。

 嫌か?マサルの方が良いか?」

「マサルは、彼女がいるじゃん!」

「ああ、そうだな。

 まぁ、考えてみてくれ!」

「う、うん」

曖昧な返事をしたけど

何をどう考えれば良いのか分からなかった。

「気を使うな。お前の気持ちに任せる。

 駄目でも今まで通りだ」

龍二が、初めて麻耶の頭に手を置いた。