階段の方から話し声が聞こえた。

龍二とマサルに違いない。

麻耶は、鏡を見て気合いを入れ

玄関で二人を待つ事にした。

「おかえりー!」

「あ"・・・どうしたその格好?」

マサルは人差し指を麻耶に向け

眼を丸めた。

龍二も唖然と立ち尽くしていた。

麻耶は首を傾げ

駄目?と俯き加減で尋ねた。

「女に見える」

龍二がボソと言い、部屋に入った。

麻耶も台所へ引き返し

マサルはソファに腰を下ろした。

「麻耶、男出来たのか?」

出来上がった料理をリビングに運ぶと

マサルに突っ込まれた。

「梨恵と同じ事言った!

 違うし、出来るようにイメチェンしたの!」

「良いんじゃね、それなら一緒に歩ける」

「どういう意味よ!

 前は歩けなかったって事?」

麻耶は頬を膨らませて

マサルの腕を叩いた。

「そう。な、兄貴?」

二人で龍二に視線を向け、答えを待つ。