「これだけ何もないと
逆に何を買えば良いのか分からないね?」
「男の一人暮らしなんて、こんな物よ!」
梨恵は、この頃から男に目覚めていたので
そういう事は良く知っていた。
麻耶は、自慢じゃないけど
男の一人暮らしの部屋に
行った事がないので全く分からない。
取りあえずは、此処にある荷物を出してから
買い物をする事にした。
龍二の部屋を後にして
梨恵と近くのイタリアンレストランへ行った。
「でもさぁ、なんで麻耶だったのかなぁ?」
「そうなんだよねぇ。
ドジな所ばかり見られてたのに」
「料理以外、何の取り得もないのにね?」
「そうそう。って、酷っ?!
でも、家政婦とかでもありだったよね?」
「あの荷物が片付けば
それでいいんじゃないの?」
「だよね」
麻耶も梨恵と同じように軽く考えていた。
その後、梨恵のファッションショーさながらの
買い物に付き合わされ疲れてしまった。