“もう二度と誰も死なせたくねぇってのに、今度はお前が死ぬんだぜ。なんでなんだよ。なんで、あんな思い二度としたくないのに”


腕に伝った涙の感覚は今でも消えない。


掴まれた手首の感覚も、崩れ落ちる遥輝の重みも、何もかも。


“好きにならなきゃよかった。こんなに苦しいなら、好きになりたくなかった。出逢いたくもなかった”


震える言葉が消えない。


頑丈にこびりついて消えてくれない。


嗚咽しながら絞り出された言葉は、永遠に胸に突き刺さっては抜けないんだ。


「遥輝の唯一の理解者は、絢ちゃんだと思う。遥輝のこと、支えてやってくれないかな」


「それは、父親である先生の役目です。私はもう遥輝とは関係ないですから」


お願いだから私と遥輝を関わらせないで。