だから、火にかけていたちいさな赤いヤカンが、ぴゅーと音を立てて、お湯が沸いたことを知らせてくれる音に、焦ってしまう。


「……ッ…!」


蒸気に一瞬触れただけなのに、ちいさく叫んでしまう。


ヒリヒリとする指先に、何故だか泣きそうになる。


「…蒼ちゃん!!」


指先を呆然と見つめていたら、久保田さんが駆け寄ってきてくれる。


ほら!すぐに冷やして!!


私の右手首を掴んで、水道の蛇口の下に当てがってくれる。


大丈夫??


久保田さんが、私を覗き込む。