その穏やかな笑顔に、思わず抱きつきそうになって、焦る。


「…こんなに嬉しいサプライズは、はじめて、です」


抱きつきそうになった勢いを、すんでのところで堪えて、やっとそんな風に言葉にした。


…と、ふいに久保田さんの左手が私の右手首を引いた。


「…え、」


急に近くなった距離に戸惑っていたら、そのまま柔らかに抱き締められた。


ドキドキと鳴り始めた心臓の音が久保田さんに聞こえていませんように、と、願う。


なんか、抱き締めてくれそうだったから、抱き締めちゃった。ふふふ。


耳元で、久保田さんの声が響いた。


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