…と、『ピンポーン』玄関のチャイムが鳴る音がして、


「久保田さん。ちょっと待ってください。郵便屋さんが来たみたいで」


夕方に書留がくる予定を思い出して、スマホ越しの久保田さんに伝えながら、玄関のドアを開けた。


「蒼ちゃん、ただいま」


勢いよく開けたドアの先には、笑顔の久保田さんが、立っていた。


「…え…?い、ま…ライン…、電話、も…」


「ふふふ。瞬間移動、だよ?」


穏やかな笑い声は、電話の電波のまま。


まだ時間が掛かると思っていたの、に。


「…マボロシ…?」


「どんだけー?!」


って、やらせないでよ。ふふふ。


「まだ会えるまでに、時間が掛かると思ってたのに、すぐ会えたら嬉しいでしょ?」


ふふふ。だからね?サプライズ。