スクロールしていた記事の中に、気になるものを見つけた。


その名も『久保田 青が恋人に求めること』


ほうほう。


受けて立とうじゃないか。


なになに…?


「オレ、結構特殊な仕事をしていると思うんですよね。だって、実生活では恋人でもなんでもないひとと抱き合ったり、キスしたりセックスしたり」


でもオレは、そのひとを演じることに生き甲斐を感じているし、オレが演じている役を通して、きゅんとしてもらったり、それによって明日も頑張ろうって、思ってもらうのが、オレの仕事なんじゃないのかな、って。


だから、出来たら彼女は一般のひとがいいな、そして出来たら、オレの仕事に関してはそっとしておいてくれるひと。


仕事してるのに、焼きもち妬かれちゃうと…ね。



ほうほう。ほうほう。


頷きながら、スマホを閉じた。